伊勢角屋麦酒:ペールエール

伊勢角屋麦酒
個人的に定番品を定番としてしっかり造っていると思ってます。
限定物も定期的に発売されますが
やはり、定番がしっかりしているので差が良く分かります。
そして定番ビールは「いつ飲んでも美味しい」と思えるビールたち。
改めて飲んだ方も素直に「美味しいな!」という再発見があるビールです。
そんな伊勢角屋麦酒さんからペールエールの登場です。
伊勢角屋麦酒(三重・伊勢市)
ペールエール
5% IBU:40
アメリカンペールエール
伊勢角屋麦酒さんの歴史は非常に古いです。
会社の名前なんですが「有限会社二軒茶屋餅角屋本店」と言います。
気になりますよね! 「二軒茶屋餅」 という部分。
そうなんです。 ルーツは餅屋さんなんですね。
400年以上も続く伊勢で最古の餅屋さんで
今なお餅作りは伝統という名のもと受け継がれています。
名物の二軒茶屋餅は舟参宮の旅人をもてなしてきました。
この名物餅なんですが、小豆餡のたっぷり入った薄皮のお餅で
引きたての香ばしいきな粉が、これまたたっぷりまぶしてあります。
また、ビールの醸造に関してのルーツも面白いです。
100年ほど前から手掛ける「味噌溜まり」の醸造がルーツになっています!
この味噌溜まりというものをご存知でしょうか?
大豆(と少量の小麦)に麹を入れて醤油麹(味噌玉麹・豆麹)を作りって
少量の食塩水を加えて仕込み、熟成させ醸造します。
これは、とろみがあって、独特の風味,酷があり、濃い色で、
刺身醤油(浸け醤油)として使われたり、煮物,照り焼き,煎餅等に使用されています。
味噌の(自然に溜まった)上澄み液「にじみ出た液汁(味噌溜まり)」を
煮物に使って調理したのが始まりなんですが、
この時に仕込む時水分量の多くしたのが、よく知られている溜味噌なんです。
この溜は主に愛知県、三重県、岐阜県の東海地方で生産されています。
この様な「醸造」という仕事から「ビール」にも着手されました。
1887(明治20)年、伊勢に生まれた「神都麥酒(しんとビール)」は
英国式の上面発酵酵母で作られたビール
「ALE(エール) で、淡く明るい色「PALE(ペール)」だったそうです。
時は流れ1997年、伊勢角屋麦酒創業にあたり、
当時のようにPALE ALE(ペールエール)を醸造することにしたそうです。
様々な試行錯誤がされ、日本だけでなく国外のコンペティションでも
賞を重ねる伊勢角屋麦酒さんの看板商品になりました。
特徴は「飽きない」
これは僕の中で非常に需要なキーワードです。
毎日気兼ねなく飲むものだから尖った特徴ではなく
なんとなく横に寄り添うようなビールが良いんです。
スタイル的にはアメリカンペールエール
IBUも40ありますので、それなりにホップのアロマはハッキリしています。
ただ、それはファーストの印象でアフターに関してはスッキリ
これはボディーがしっかりしているからだと感じます。
「初めてクラフトビールを飲む人が、このビールを飲んだら、
クラフトビールは美味しくないという人はいなくなる」と
専門家に言っていただいたこともある伊勢角屋麦酒ペールエール
この様にHPにも紹介されています。
確かにそういう印象も非常に強いと思います。
しかし個人的には
今のクラフトビールブームの中でIPAや限定もの、キワモノを
クラフトビールと飲んで切る方々に飲んで頂きたいと思っています。
きっと「美味しい」と再確認できるビールだからです。